フィオレンティーナのバッグは、永くご愛用いただくために、厳選した最高級の革素材を選定していることはもちろん、美しいシルエットをいつまでも損なわないために、長年の使用にも耐え得る強度の観点から、内部デザインにもこだわりをもっています。
たとえば、持ち手部分やポケットの周辺は、ひっぱられる力にも型崩れを起ないようさまざまな構造上のしかけを施しています。芯材を複雑に構成したり、通常は縫い目にしかあてない布を鞄の底部にまで深く添えたり。目に見えない部分にも手をかけて制作しています。ですから、10年ちかく時を経て、パーツの交換や修理などのメンテナンスで里帰りしてくるバッグたちは、つややかな革の深みを増していても、外観の大切なシルエットは、工房を出たときのまま美しく保たれています。大切にご愛用いただいている持ち主の方の手のあとや、経年による味わいをまとい、堂々とした風格が備わって帰ってきます。
「お帰り」と心のなかで声をかけながら修繕すること、それも、とてもうれしいひとときです。